SGTC設計法

一部適当なので近いうちに全面的に書き直しを行います。
設計方法は変更される箇所があるかと思います。ご了承ください。

このページでは一般的な交流テスラコイルの設計方法を扱います。
主に家庭用電源(100V)で動くものを対象にして解説します。

TeslaCoilCircuitDiagram


製作時の注意点

テスラコイルを製作するには多くの異なった工学の基礎が必要になります。
どちらかというと電気、電子工作よりも日曜大工的なノリでしょう。
ある程度のスキルがないと完成させることが出来ないかもしれません。

そしてテスラコイルを動作させると凄まじい音を放ちます。
下手したら警察沙汰になるかもしれません。すべて自己責任で実行するようお願いします。

変圧器電力の決定

テスラコイルでは電力に応じて出せるスパークの距離が決まってきます。
以下、計算式を示します。
製作時の目安として計算しましょう。

スパークの長さ(cm): L=4.318*√P (P=電力)

約300W(300VA)のネオントランスでの計算例を以下に示します。

電力:約300W
L=4.318*√300=4.318*17.32=74.78cm

高周波は挙動がつかめないので正しく設計しないと距離が伸びないことと思われます。
設計、シュミレーションを行なうといいと思われます。

なおWeb上で利用できる計算フォームを用意してありますのでよろしければご利用ください。
・スパーク長計算機

変圧器(トランス)の選択

普通、テスラコイルの設計では電源に使用する高圧トランスから選択します。
そして得られる電力に応じて、各コンポーネントを構成していくのです。
もしテスラコイル製作が初めてならばネオンサイントランスを使用することをお勧めします。

ネオンサイントランス(NST:NeonSignTransformer)

NST

これは小型テスラコイル製作で一般的に使われるトランスです。
通常はネオンサインを光らせるのに使用します。(ネオントランスともいう)
電圧が容易に得られるため高い電圧が必要なテスラコイルではスタンダードなものです。
しかし、最大の定格でも[15kV,20mA(300VA)]と得られる電流が少ないという欠点があります。
最大定格のものは新品で1万円ほどの価格です。
入手方法はヤフオクか、ネオンサインを扱っている近所の電装屋さんに尋ねてみましょう。
インバーター式の小型ネオンサイントランスも存在するようです。
これは高周波出力で適さないので注意しましょう。

製作記事:テスラコイル1号機
参考:ダイヘン電機システム事業グループ[ネオン変圧器]

電子レンジ用トランス(MOT:MicrowaveOvenTransformer)

MOT

これは電子レンジ内部のマグネトロンの駆動に使われているトランスです。
ネオンサイントランスと比べ大電流が取れることから中型テスラコイルに多く使われています。
一般的な仕様では[2kV,500mA(1000VA)]となっています。
得られる電圧が低いため、いくつかのMOTを直列接続し出力電圧を上げて使用します。
非常に多くの電流が流れてしまうため、電流制限も設計のカギとなっています。
入手方法は5千円ほどで販売されている激安電子レンジから取り出すのが手っ取り早いでしょう。
中古の電子レンジで複数用意する場合はトランスの仕様が違ってくる可能性があります。
直列、並列接続する場合は出来るだけ同じ仕様のMOTを使って製作しましょう。
ちなみに一部、インバータ式の電子レンジが出回っているそうです。
これはMOTが使われていないので注意。MOTは鉄の塊なので重さで判別しましょう。
軽いものは要注意です。

製作記事:テスラコイル2号機

柱上変圧器(ポールトランス)

PoleTransformer

これは電柱に取り付けられている灰色のトランスです。油入変圧器とも呼ばれます。
主に大型テスラコイルで使用されます。
通常は配電されている6600Vの電流を100V,200Vに下げる役割を果たしています。
テスラコイルで使用する場合には1次側と2次側を逆に接続し、昇圧トランスとして使用します。
これは100Vまたは200Vを6600Vに上げることを意味します。
10~100kVAのモデルが存在するようです。
100kVAタイプで計算すると、[6.6kV,15.2A(100000VA)]というアリエナイような大きな電流を取り出せます。
たまにヤフオクで中古品を見かけますが、古い一部機種ではPCBが絶縁油中に含まれている可能性があります。
(※PCB,ポリクロロビフェニル:毒性が強く、発がん性物質。電気絶縁性が高い。)

参考:愛知電機株式会社[配電用変圧器]

電源回路の設計[共振コンデンサ]

ここでは最適な共振コンデンサの容量を決定します。
電源からインピーダンスを求め、そこから容量性リアクタンスを求めます。
すると2次コイルに移る電気エネルギーを蓄えるのに必要なコンデンサの容量が出てきます。
公式は以下のとおりです。

インピーダンス(Ω): Z=V/A (V=2次側電圧,A=2次側電流)
容量性リアクタンス(F): C=1/2πfZ (f=電源周波数)

実際の計算例を以下に示します。

変圧器出力:15kV,20mA [NST]
電源周波数:50Hz
Z=V/A=15000/0.02=750000Ω (=750kΩ)
C=1/2πfZ=1/2*π*50*750000=1/235619449=0.000000004244131816F=0.004244131816μF
(=4.244131816nF=4244.131816pF)
これで求まりました。この場合、約4244pFのコンデンサ容量があればいいことになります。

なおWeb上で利用できる計算フォームを用意してありますのでよろしければご利用ください。
・共振コンデンサ容量計算機

電源回路の設計[進相コンデンサ]

次に力率補正用のコンデンサ容量を計算します。
(PFC:Power Factor Correction)

PFC(F): (VA)/(2π*f*InputV^2)
(V=2次側出力電圧,A=2次側出力電流,f=電源周波数,InputV=1次側入力電圧)

計算結果を元に、変圧器の1次側に進相コンデンサをはさむといいでしょう。

なおWeb上で利用できる計算フォームを用意してありますのでよろしければご利用ください。
・進相コンデンサ容量計算機

電源回路の設計[消費電力]

ついでに消費電力(W)を計算してしまいましょう。
必須ではありませんので飛ばしても構いません(笑。

Watts(W): (0.6/√VA+1)*VA (V=出力電圧,A=出力電流)

なおWeb上で利用できる計算フォームを用意してありますのでよろしければご利用ください。
・消費電力計算機

スパークギャップの設計

スパークギャップにはいくつかの種類があります。

固定ギャップ (StaticGap)

これは主に小型テスラコイルで使われる方式です。
少しの間隔をあけて一対の電極を固定。回路中の電圧から間隔を決定します。
空気の絶縁破壊電圧は[3.55(kV/mm)]。つまり3550Vあれば1mmの空間をスパークできることになります。
回路中の電圧が15000Vと例えると、15000/3550=4.2mm。これだけの間隔が必要です。
負荷が大きい場合は電極の腐食が激しくなるので材質は真鍮やタングステンを用いるといいでしょう。
また、空気の条件によって絶縁破壊電圧は変化するため一定したギャップを作ることは困難になります。
これらの欠点によりあまり使われることはないようです。
ちなみに電極周辺はイオン化した空気によって絶縁があまくなり、放電によって熱も上がります。
ファンなどでの送風が必要となるでしょう。

シリーズギャップ (SeriesGap)

SG

上記の固定キャップ方式を改良したものがシリーズギャップになります。
鉄パイプや鉄板などを均等にいくつも設置したもので、放電時の負荷が分散されます。
熱も同じく分散されるため、小型テスラコイルでは多く使われる方式です。
間隔は固定ギャップと同じで電圧で決定します。上記の例では15000Vで間隔が4.2mmとなっています。
つまりシリーズギャップでは"合計で"4.2mmの間隔をとればいいことになります。
パイプを11本設置したとすると隙間は10です。4.2mm/10=0.42mm。
0.42mmの間隔をあけて設置すればいいことになります。
この方式もイオン化した空気で絶縁があまくなるため、ファンでの送風が必要です。

ロータリースパークギャップ (RSG:RotarySparkGap)

RSG
DISC

これはモータを用い、強制的にスイッチングする方式です。
大電力に対応することから主に中型~大型テスラコイルで使用されます。
電極の間隔は約0.5mmほどで、回転時の風で電極が冷却されるため、ファンは必要ありません。
イオン化した空気も同様に吹き飛んでしまうので、安定した放電ができるのが特徴です。
コストは高くなりますが最終的にはこのタイプに行き着くでしょう。
回転部分にはある程度の工作精度が必要になります。

2次コイルの設計[製作]

2次コイルの材質は主に塩ビパイプやアクリルパイプが使われます。
当方ではコストパフォーマンスに優れている塩ビパイプを使用しています。
(※塩ビパイプは直径が少し大きいです。VU100=約11cmです。)

最初にトランスの電力から、コイルの太さを決めます。
小さなコイルに大きな電流を流しても全部を駆動できるわけではなく損失が発生し、表面でアーク放電を起こしたりします。
適切な大きさを決めてしまいましょう。

電力コイル直径
500W以下7.5~10cm
500W~1.5kW10~15cm
1.5~3kW15~25cm


そして、コイルの直径が決まると適した高さも決まってきます。
以下の表をご覧ください。

コイル直径比率コイル巻き取り高さ
7.5cm6:145cm
10cm5:150cm
15cm4:160cm
20cm~3~5:160cm~


コイル製作時の注意点は以下のとおりです。
・出来るだけ薄い素材を用いる(厚いと損失が発生します)
・コイル巻き数は800~1000回巻き(900がベスト?)
・巻き終わったらニスを塗る(緩み止め、絶縁等)

コイル直径10cmの計算例を示します。
直径0.5mmのPEW(ポリエステルエナメルワイヤ-:エナメル線)を使用。
コイル直径11cm,巻き取り数1000回とします。

エナメル層の増加分を考えてPEW直径を10%増で考えます。
0.5mm*1.1=0.55mm
1000回巻きなのでコイルの高さは以下にようになります。
0.55mm*1000=550mm=55cm

なお、必要な巻き取り長を考えると以下のようになります。
11cm*3.1415*1000=34556.5cm=345m
つまり345m以上、0.5mmのPEWを使用すればいいことになります。
(0.5mmのPEWでは1.746kg=1000mとなります。)

2次コイルの設計[計算]

2次コイルのインダクタンスとキャパシタンスを計算します。
式は以下のとおりです。

インダクタンス(μH): L=(NR)^2/(9R+10H)
キャパシタンス(pF): C=0.29H+0.41R+1.94*√(R^3/H)
(N=コイル巻き数,R=コイル半径[インチ],H=コイル高さ[インチ])

計算例を以下に示します。
N=1000(巻き数)
R=(110mm/25.4)/2=2.165354(インチ換算)
H=550mm/25.4=21.653543(インチ換算)

インダクタンスを計算します。
L=(NR)^2/(9R+10H)=2165.354^2/(19.48818+216.53543)=4688757.945/236.02361
=19865.63101μH=19.86563101mH

次はキャパシタンスです。
C=0.29H+0.41R+1.94*√(R^3/H)=6.27952747+0.88779514+1.94*√(10.15282077/21.653543)
=7.16732261+1.94*√0.468875729=7.16732261+1.32840532=8.49572793pF

なおWeb上で利用できる計算フォームを用意してありますのでよろしければご利用ください。
・2次コイル計算機

共振周波数の計算

・共振周波数計算機

トロイドの設計

・最適トロイド容量計算機

1次コイルの設計


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