今回、自宅で使用しているQNAPのNAS(TS-419P+ Turbo NAS)にAsteriskを入れ、

IP電話システムを構築してみます。

電話の子機を増設するのは高いし、家の中は有線LANが張り巡らされてるし、

常時動いているサーバーはあるし、などといった特殊な環境の人には、

IP電話システムをお勧めします。LANさえ繋がれば発着信ができるのです。

 

■IP電話機の準備

Wooksung Electronics, Inc.の「WVP-2100W」を使用します。

IP”テレビ”電話機ですが、ヤフオクなどで中古のものが安く出回っています。

システムの構築にも、Asteriskのお勉強にも、最適です。

(コンピュータのおっとで配布されていたファームウェアは残念ながらなくなりました)

(手元にあるけれども再配布はまずいだろうなぁ・・・)

 

■NASにAsteriskを入れる

QNAP社のNASは少ない手間でAsteriskを導入できます。

TS-419P+では、QPKGプラグインという形で、Asteriskが提供されていました。

該当するファイルをダウンロードし、NASにアップロードし、待つだけです。

動き始めると、「http://[NASのIP]:8088/asterisk/static/config/index.html」でアクセスできると思います。

 

■構成を決める

とりあえず、わかりやすく説明をしたいので、

201, 202, 203の内線番号を持った電話機を3台。

500はその3台全部に繋がる番号。

といった設定をしてみます。

(IP電話機は同一ネットワーク上に接続済みとします)

 

■Asterisk GUIで設定をする

これはブラウザのバージョンを選ぶのでしょうか?

Firefox8ではうまくSaveできませんでしたので、IE9を使いました。

通常、Asteriskは設定ファイルを自分で編集するのですが、

QNAPのNAS向けに配布されているAsteriskは”Asterisk GUI”というGUIが付属しています。

最初はとっつきにくかったのですが、GUIの設定も慣れれば楽でいいですね。

ログインしたら、内線番号ごとにユーザーを追加します。

しかし、ユーザーを追加しようとすると、ダイアルプランを追加してからにしてね、といわれます。

 

■ダイアルプランの追加

これは発信に対する設定ファイルとして捉えます。

ユーザーによっては、外線発信を禁止したりする場合に、それぞれ別の発信設定としてダイアルプランを用意します。

今回は制限は設けない予定なので、ダイアルプランを1つ作成します。

左のメニューより、「Dial Plans」を選択し、「New DialPlan」をクリックします。

DialPlan Nameは、適当に指定します。私はメインで使うダイアルプランになるので、Mainとしました。

Include Outgoing Calling Rulesは、まだ何も指定しません。

Include Local Contextsにはdefaultだけ指定しました。

 

■内線番号の設定

左のメニューからOptionsを開き、内線番号の設定をします。

Extension preferencesに設定を行います。

6000~6699まで区切って設定されてると思いますが、今回は200~999までの3桁の範囲を区切って指定しました。

User Extensions 200 to 499

Conference Extensions 600 to 699

VoiceMenu Extensions 800 to 899

RingGroup Extensions 500 to 599

Queue Extensions 700 to 799

VoiceMail Group Extensions 900 to 999

 

■ユーザーの追加

左のメニューから「Users」を開き、「Create New User」から新しいユーザーを作成します。

201, 202, 203の内線番号を持たせるために、3ユーザー分作成します。

Extensionが内線番号です。Nameも同様に内線番号で指定しておきます。

(Nameを書いていないと次に示すグループの作成時にユーザーが表示されません)

DialPlanには先ほど作成したダイアルプラン「Main」を指定しましょう。

通信にはSIPプロトコルしか使いませんので、IAXのチェック外しました。

SIP/IAX Passwordも指定しておきましょう。電話機で入力するので数字です。

Updateボタンにて作成します。

(このとき、Options – User Extensionsの番号が使用する範囲に設定されてないとエラーになります。)

ユーザーを作成し終わったら、右上のApply Changesをクリックして反映させます。

 

■Ring Groupsの作成

500にダイヤルしたときに、201から203の内線番号すべてを鳴らすために、グループを設定します。

左のメニューより、Ring Groups、New RingGroupの順に開きます。

RingGroup Nameを指定し、Extension for this ring groupにこのグループに対する内線番号(ここでは500)、

Ring Group Membersに201~203のユーザーを追加します。

Ring Group OptionsにあるStrategyをRing in Order(順に呼び出し)から、Ring all simultaneously(全員同時に呼び出し)に変更します。

以上で、保存します。

 

■動作確認

WVP-2100Wの設定を行い、Asteriskに収容します。

音声コーデック:G.711-U

ビデオコーデック:H.263

設定はこの通りです。

SIPサーバーの設定を行えば、それぞれ内線番号での通話が可能になっています。

(まだここでは音声通話のみ可能です)

 

■ビデオ通話がしたいなあ

WVP-2100Wでビデオ通話をするには、sip.confに以下の行を追加すると可能になるらしい。

[general]

videosupport=yes

allow=h261

allow=h263

GUIから設定するには、Advanced Optionsを表示させましょう。

Options、Advanced Options、Show Advanced Optionsの順にクリックすると左のメニューが増えます。

左メニューSIP Settingsから、Miscと順に開くとSupport for SIP Videoというオプションがあります。

これにチェックを入れることで、ビデオ通話がサポートされるのですが、

使用を許可されているプロトコルにH261,H263の表記がないため、ビデオの通信ができません。

左のメニューにFile Editorがあるので、設定ファイルを直接編集しましょう。

sip.confにallow=h261,h263を追記してもなぜか反映されませんでした。

users.confの内容で上書きされるようです。

各ユーザーごとに「allow=h261,h263」を追記したらビデオ通話が可能になりました。

 

ちなみに、この電話機(WVP-2100W)、IPアドレスで通話可能ですので、

うまくいかないというときは、IPアドレス指定(Asteriskを経由しない)で通話してみるなども手です。

(*キーが.の入力です)