サスペンション型ホイスト式天井クレーンの製作

重量物を扱う関係上、倉庫の土間にクレーンを設置しようと思いました。
(倉庫というよりも「ガレージに天井クレーンを設置」と書いたほうがわかりやすかった?)
考えているクレーンは「サスペンション型ホイスト式天井クレーン」です。

 

さすがにクソ重いH形鋼・I形鋼は扱う気になれないので、フレームだけ鉄骨屋に依頼します(笑。
中国製の安い電動トロリーやホイストクレーンが出回っているので、
それらを使用して安価に天井クレーンを製作してみます。

 

※書いてあることを実践してもらうのは構わないのですが、責任は取りません。あしからず。

 

※また、念のため。以下の資格を有する者が製作、オペレーションしています。
・第二種電気工事士
・クレーンの運転業務(5t未満)
・玉掛け(吊上荷重1t以上)

 

2011年、6月11日

ホイストクレーンと電動トロリーが届きました。
 

ホイストはYahoo!オークションにて落札したものです。
シングルライン300kg/ダブルライン600kgの仕様となっています。
ダブルライン400kgの電動ホイストならばよく見かけるのですが、
600kgの電動ホイストはなかなか見かけませんね。

 

電動トロリーは「プロツールショップヤブモト」にて3台購入。
500kgの能力のものです。
なお、ダブルライン400kgの電動ホイストならば扱いがあるみたいです。

 

2011年、6月17日

自宅の倉庫は木造なので、I形鋼を支えられないという結論に至りました。
そこで倉庫内部にH形鋼で柱を立て、フレームを作ってもらうことになりました。
設計してもらったのがこれです。

全体図ではこのようになっています。
これを倉庫の中、いっぱいいっぱいに作ってもらいます。

 

出入口がある関係上、1ヶ所だけ柱の位置をずらしています。
以上の見積で37万円とのことです。

 

2011年、6月22日

 

ホイスト用の6点押ボタン開閉器が届きました。
上下、東西、南北は片方ずつしか押せないようになっています。
(上を押しているときに下は押せない)

 

スイッチは押している間だけ導通するタイプで、接点の片方は銅板で共通になっています。
つまり、スイッチは6個なので、6本+共通線1本。合計7本の配線になります。
8芯ケーブルが使用され、赤色が共通線、茶色があまりでした。
(ということはスイッチが1個増設できますね!)

 

他にも速度制御する場合に、コントローラーで無段変速したいよなあ、と色々考えていたのです。
あまりの1本のケーブルで1-wireのDACを使って複数個の半固定抵抗をぶらさげるとか。
6点のスイッチを全部プルアップしておいて、どれだけ押しても3点以上は押せないので、
ダイオード使って電源とれるよなあ。とか。
コントローラー周りの回路は暇なときにいろいろ考えましたねえ。

そういえば、こういう用途に使うケーブルってワイヤーが付いているんですね。
上の細いのが直径3mm?の被覆付きワイヤー。
下の太いのが8芯のケーブルです。
ケーブルを痛めないようになっているんですねえ。

 

2011年、7月5日

工事開始日です。
現在の倉庫の様子はこんなかんじ。

中の荷物をすべて外に運びだして工事開始です。

 

2011年、7月6日

工事終了。

各コンポーネントは、工事前に工場で作ってもらっていたので、
工事自体はスムーズに2日間で終わりました。

 

クレーンガーターとなるI形鋼を切りだしてもらっていました。
サドルとなるトロリーも穴あけ加工済みです。

 

2011年、7月7日

 

南側と北側に設置した電動トロリーです。
北側のトロリーは邪魔な部分をカットしました。
たまたま手元にあったボルトを入れているので1本だけ長い(笑)
いや、まあ考えあっての物なんですけどね(言い訳

 

 

クレーンガーターとなるI形鋼あがりました。
友人を3人呼んでの大仕事。いやー、クソ重い(笑。

 

 

また、南北方向に移動可能なホイストクレーンを取り付けます。
電動トロリーをI形鋼に取り付けし、ホイストクレーンをあげます。

 

 

先ほど言い訳していた長いボルト(笑)にステー金具を取り付けます。
また、南北共に、アイボルトを対になるように固定します。
大体わかってきました・・・?

 

 

実はこのように南北方向に直径3mmのステンレスワイヤーを張ったのです。
つまり、ホイストクレーンの移動方向に沿っているということになります。
ワイヤーには複数のキーリングがくぐらせてあるのですが、
これがどうなるかというと・・・?

 

 

このようにケーブルを支持するレールとなります!
キーリングにはインシュロックタイで固定してあります。
ホイストクレーンを駆動させる4芯の電源ラインケーブル、
南北方向の電動トロリーを駆動+汎用の配線として8芯ケーブル、
合計2本のケーブルをカールさせて固定します。

 

2011年、7月8日

電動トロリーとホイストを分解し、配線図を書き起こします。
まずは電動トロリーの分解、配線。

 

 

次にホイストクレーンの分解。

 

電動トロリー、ホイストクレーンのリモコンを分解。

 

電動トロリーは力率改善用の進相コンデンサーがリモコンに内蔵されていました。
ホイストクレーンでは本体の配線ボックスに入っていました。

 

このようになるでしょうか。
あくまでも自分が分解したトロリーとホイストについてですのでご注意を。

 

2011年、7月9日

黒い配線ボックスがホイストクレーンに付いているのですが、
一番下の進相コンデンサーを入れる場所が大きくて邪魔です。
クレーンガーター上に配置しようと思うので、
配線ボックスを小さく改造します。

 

下部の進相コンデンサーへ配線するための穴も埋めてしまい、
進相コンデンサー無しの本当の配線ボックスにしてしまいましょう。

 

電動シャッターへの割り込み配線

ふとした思いつきで、電動シャッターをリレーで制御出来るようにしました(笑)

 

というのも、天井クレーンのコントローラーはクレーンの位置にぶら下がるのに、
電動シャッターのコントローラーは部屋の壁に付いているんですからね。
つまり、シャッターのコントローラが遠いw

クレーンのコントローラーでシャッターも制御してしまおうという話です(笑)

 

戻りまして。
スマートになった配線ボックスをホイストクレーンに取り付けてしまいます。

 

ホイストクレーン周りの配線は終わりました。
進相コンデンサーが付いていない分、だいぶスマートです(笑)

 

 

6点押ボタン開閉器にキースイッチを取り付けます。
シャッターを制御すると言いましたが、それの切り替え用です。
つまり、キースイッチを切り替えることによって、
クレーンを動かすか、シャッターを動かすか決められるのです。
素晴らしい!!

 

そういえば、残りの線を1-wireでつないで速度制御がどうのこうの言ってたのもありましたが、
どうも実験したところ速度制御は必要なさそうですね。
ACモーターでは初動のトルクが弱いので、振動がそんなに気になりませんでした。
というのもフレームが単純なラーメン構造で振動に弱いため、
クレーンの始動時の振動が強いときは速度制御をしようとしてたのです。

 

実際に速度制御をするとしたら、適当にHブリッジ組んでマイコンで制御をしてしまおうと。
ACモーターの回転数は周波数に依存するので周波数を可変させればOKです。
しかし、周波数が低くなるごとに流れる電流が多くなってしまうので、
PWMでON時間を固定して、Hブリッジを駆動させれば問題ないと思います。
まあこうやっていろいろ作り込むと電車と同様、VVVF制御に行き着くのですが(笑)

 

2011年、7月10日

大体の位置決めのため、クレーンガーター上にリレー等を仮配置。
制御にArduinoを使おうと思っているので、場所を確保。
普通に考えるとArduino等マイコンは必要ないのですが、
ある企みがあるのでスペースを開けておきます(笑)

 

2011年、7月13日

 

ホイストクレーンに端子台設置。
8芯ケーブルのあまり5本がつながっています。
容量の関係から2本ずつ使ってAC100Vを引いてあります。
適当なコンセントをあとで付けようかしら。
1本はあまるけれど、あとで回転灯とか?適当な用途にでも。

 

 

クレーンガーターの上にリレーなどを両面テープで固定しつつ配線を行っていく。
インシュロックタイをうまく使っていくのだ。

 

 

6点押ボタン開閉器のワイヤーを、取り付けたアイボルトに固定。
これで重さがかかってしまってもコードは痛まない!

 

2011年、7月14日

 

H形鋼にドリルで穴をあけ、アイボルトを固定。
南北方向にワイヤーを設置します。
これはクレーンガーターに対してのケーブル支えとなります。

 

2011年、7月15日

6点押ボタン開閉器の先を、RJ-45プラグにします。
つまりはLANケーブルの切れっ端に接続します(笑)
マイコンとの接続を脱着式にするためです。

 

2011年、7月16日

クレーン制御基板完成!

 

リレーは12Vの物を使用したので、5V系のマイコンからは直接駆動出来ません。
トランジスタをスイッチとして使うことにより制御は可能ですが、
数も多いので、トランジスタではなくトランジスタアレイを使用します。
これはトランジスタが複数個入ったICで、大電流のスイッチとして動作します。
また、8bitのシフトレジスタ(74HC595)と共に2つずつ使用し、合計16個のリレーを制御出来ます。

 

制御にはArduino Duemilanoveと初代EthernetShieldを使用しました。
これは、Ciaoというライブラリを使用することによってiPhoneから制御を可能にするためです。

いや別に最新のArduinoでいいのですが、たまたま手元にあったもので。

 

 

南北方向にもケーブルを固定していきます。
電源となる3芯ケーブル、
シャッターを操作するための4芯の信号用ケーブル、
マイコンをLANに接続するためのLANケーブルと合計3本です。

 

クレーンにファームウェアを書き込み(笑)
徹夜明けの早朝。とりあえず動作するまでに至りました。

 

 

動画はこちら!!

 

 

 

いやー、とりあえず動いたようでなにより。
ただ、どうもEthernetShieldの動きが不安定なようです。
iPhoneから操作するためにはクレーンのファームウェアを作りなおしてバージョンアップしないと・・・w

 

あと、ホイストクレーン部分にコンセントの設置と回転灯の設置?が残っていますね(笑)
とりあえず一旦完成とし、あとの部分は暇があるときに追加していきます。

 

追記:2011年、7月21日

FPGA-CafeにArduinoを買いに行ったときに聞いた話ですが、
初代EthernetShieldはリセットがうまくいかないらしいのです(!?)

いやー、びっくり。
起動時にEthernetShield側のリセットがうまくかからないことがあるらしいです。
というのもリセットタイミングのズレがあり、起動時にうまくいかないことが。
リセットすると動くようにはなるけれども、という話でした。
ビンゴ。

EthernetShieldの動きが不安定と書きましたが、リセットポタンを押すと正常に動くのです。
コレだったのかああ!!

 

解決法としては、Arduinoにリセットのピンを刺さないように曲げる。
リセットをDigitalPinなどの出力で作り出し、制御する。
画像では2本のピンを曲げてありますが、
3.3V出力のところ、EthernetShieldでも生成しているためで、
外すのが好ましいようです。

初代EthernetShield使ってる人は少ないんですかねえ?
というかちゃんと作ってから発売しろと(笑)

 

追記:2011年、8月11日

Make入りしました。

サスペンション型ホイスト式天井クレーンの製作

 

追記:

テスラコイルを近くで動作させると、誤動作して怖いので、

制御はマイコンを使うのをやめ、100Vリレー制御にし、

普通のクレーンにしてしまいました(笑)

 

その他メモ

西村設備-車載用ミニクレーン
Yahoo!オークション-Search:カニクレーン