QNAP Virtualization Station GUIゲームサーバー構築

「TS-h1283XU-RP」上の仮想マシン（Virtualization Station）でゲームサーバーを構築します。

Linuxをインストールし、WebUIを備えてる各種管理ソフトウェアを導入しましょう。

基本のセットアップ方法については、「QNAP QuTS hero 5 セットアップ」をご覧ください。

QNAP - QuTS hero ユーザーマニュアル

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Linuxのインストール

ここでは、私が良く使用しているUbuntu Serverを導入していきます。

基本的に、何のLinuxでも良いですが、導入予定のアプリで推奨されているのはDebian系のようなので、DebianかUbuntuあたりが良いのではないでしょうか。

Ubuntu Server のダウンロード

Get Ubuntu Server より、Ubuntu Serverをダウンロードします。

今回は、LTS版の Ubuntu 24.04.3 LTS（ubuntu-24.04.3-live-server-amd64.iso）を使用しました。

ダウンロードしたファイルは仮想マシンから参照するために、QNAPの共有フォルダに入れておきます。

Virtualization Station で仮想マシンの作成

基本的なセットアップは、「QNAP QuTS hero 5 セットアップ」の通り設定済みとします。

このQNAPでは、ZFSのARC（Adaptive Replacement Cache）RAMの関係で、アプリケーション側で利用可能なメモリ量に制限があります。

ストレージ＆スナップショット中の設定を確認すると、ARC RAM使用率は、128GBのRAMに対して75%の設定となっていました。

つまり、128GB中、約100GBがZFSで、残り約30GBが仮想マシン等に使用可能な領域となっています。

40%まで5%刻みで下げることは可能ですが、NASのパフォーマンスの兼ね合いがあるので、できるだけ多くアサインする方が良いでしょう。

今回は、8GB～16GB程度のメモリをアサインした仮想マシンを何個か立ち上げたいので65%に変更して、アプリケーション側で利用可能なメモリを40GB程度設けています。

QNAPの8080番ポートにアクセスし、管理画面の Virtualization Station から「仮想マシンの作成」ボタンをクリックします。

以下のように設定変更。

VM名：GameServer
ファイルの場所：/Virtualization
OS：Linux
OSバージョン：Ubuntu 22.04（これより新しい設定が無かった）
CPUモデル：Passthrough（好みに応じて）
CPU：2（好みに応じて）
メモリ：16GB（好みに応じて）
BIOS：UEFI

容量はNASに合わせて設定し、ネットワークも環境に合わせて設定します。

容量：1000GB（好みに応じて）

私の場合、ネットワークが複数あるため、ネットワークアダプタは2個に追加してあります。（公開ネットワーク用と内部用）

起動時に読み込まれるようにUbuntuのインストーラーISOファイルを指定しておきます。

ディスク（.iso）：UbuntuのISOを指定
USBコントローラー：USB 2.0
オートスタートポリシー：常時
開始時遅延：300秒

外部デバイスは特に使用しませんが、安定性の面から枯れているUSB2.0にしておきました。

また、NAS起動時に裏で自動起動してほしいので、オートスタートポリシーも設定しました。

最終確認して仮想マシンを作成します。

Ubuntu Server のインストール

Virtualization Station で先程作成した仮想マシンを起動します。

Virtualization Station の操作パネルで見切れていますが、「Install Ubuntu Server」で進みます。（待ってても勝手に進みます）

日本語は無いので English のままで進みます。

フォルダ名等が日本語にされてしまうと、コマンドライン操作時に手間なので私は極力英語にしています。

キーボードは環境に応じて選択してください。私は英語キーボードを使っているのでUSキーボード設定のまま次に進みます。

特に変更せずに Ubuntu Server でインストールを進めます。

ネットワーク設定は環境に合わせて行います。

外部からアクセスするために固定IPの設定などをしておきましょう。

プロキシは使用していないのでそのまま進みます。

ミラー設定についてもダウンロードテストが走るので、その後、Doneで進みます。

HDDの使用方法についてです。

デフォルトでLVMを使用するようになっています。

そのまま進みます。

自動でパーティションレイアウトされるようです。

よく見ると、1000GBのLVMボリューム中に、100GBのパーティションしか作成されていないようですが、LVMの拡張は手間では無いのでそのまま進みます。

※仮想環境なので大丈夫だと思いますが、ディスクがフォーマットされるので注意してください

サーバーのホスト名と初期ユーザー設定をします。

自分は、Webサーバーならweb、ゲームサーバーならgame、のようにしています。

ログインユーザー名とパスワードは任意の設定をしてください。

「Install OpenSSH server」だけチェックマークが入っていないので、スペースキーでチェックを入れました。

インストール直後にSSHログインしたいため、SSHサーバーをインストールしておきます。

（パスワード認証になっているので、インストール完了後に公開鍵認証に変更すると安全です）

その他のソフトウェアは特に入れずに進みます。

Ubuntu Serverのインストールが始まります。

インストールが終了すると再起動要求されます。

その際に、ディスクの取り出しが行われるのですが、失敗すると思うので、Virtualization Station の設定画面よりインストールに使用したISOファイルをイジェクトしておきます。

再起動後に、ログインプロンプトになればインストール成功です。

このままWebUIでログインして操作するのもいいですが、自分はSSH経由で操作するのが好きなので TeraTerm 等ターミナルエミュレーターから接続を確認します。

Linux・Web管理用コントロールパネルの比較

NAS上で動かしているLinuxなのでWebUIで管理をしたいです。

レンタルサーバーなどでよく使用されるホスティングコントロールパネルのソフトウェアを比較していきます。

ユーザー人口が多くできるだけオープンで継続してメンテされているものを選定したいです。

1Panel 無料有。中国製。
aaPanel 無料有。中国製。
CloudPanel 無料。
Control Web Panel 無料有。
cPanel 有料。
CyberPanel WebサーバーがLiteSpeed。
DirectAdmin 有料。
Froxlor 無料。
Hestia Control Panel 無料。
ISPConfig 無料。
ispmanager 有料。
OpenPanel 無料。
Plesk 有料。
Sentora 無料。
TinyCP 無料。
Vesta Control Panel 無料有。
Webmin/Virtualmin 無料有。
Zentyal 無料有。

Wikipediaに項目がある有名そうなのは、Webmin / Froxlor / ISPConfig / aaPanel あたり？

システム自体の管理も行いたいというと、Webmin 一択かな・・・

Webmin のインストール

先ほどインストールした Ubuntu Server に Webmin をインストールしていきます。

SSH経由で操作していきます。

インストール方法は Webmin - Downloadを参考にします。

インストールの前準備として、リポジトリのセットアップをします。

$ curl -o webmin-setup-repo.sh https://raw.githubusercontent.com/webmin/webmin/master/webmin-setup-repo.sh
$ sudo sh webmin-setup-repo.sh
Setup Webmin releases repository? (y/N) y
  Downloading Webmin developers key ..
  .. done
  Installing Webmin developers key ..
  .. done
  Setting up Webmin releases repository ..
  .. done
  Cleaning repository metadata ..
  .. done
  Downloading repository metadata ..
  .. done
Webmin and Usermin can be installed with:
  apt-get install --install-recommends webmin usermin
$

インストールを行います。

$ sudo apt-get install webmin --install-recommends
Reading package lists... Done
Building dependency tree... Done
Reading state information... Done
The following additional packages will be installed:
  html2text libalgorithm-c3-perl libauthen-pam-perl libb-hooks-endofscope-perl
  libb-hooks-op-check-perl libclass-c3-perl libclass-c3-xs-perl
  libclass-data-inheritable-perl libclass-inspector-perl
  libclass-method-modifiers-perl libclass-singleton-perl
  libclass-xsaccessor-perl libcommon-sense-perl libdata-optlist-perl
  libdatetime-locale-perl libdatetime-perl libdatetime-timezone-perl
  libdbd-mysql-perl libdbi-perl libdevel-callchecker-perl libdevel-caller-perl
  libdevel-lexalias-perl libdevel-stacktrace-perl libdynaloader-functions-perl
  libencode-detect-perl libeval-closure-perl libexception-class-perl
  libfile-sharedir-perl libio-pty-perl libjson-xs-perl
  libmodule-implementation-perl libmodule-runtime-perl libmro-compat-perl
  libmysqlclient21 libnamespace-autoclean-perl libnamespace-clean-perl
  libnet-ssleay-perl libpackage-stash-perl libpackage-stash-xs-perl
  libpadwalker-perl libparams-classify-perl libparams-util-perl
  libparams-validationcompiler-perl libqrencode4 libreadonly-perl
  libref-util-perl libref-util-xs-perl librole-tiny-perl libsocket6-perl
  libspecio-perl libsub-exporter-perl libsub-exporter-progressive-perl
  libsub-identify-perl libsub-install-perl libsub-name-perl libsub-quote-perl
  libtry-tiny-perl libtypes-serialiser-perl libvariable-magic-perl
  libxstring-perl mysql-common perl-openssl-defaults qrencode unzip
Suggested packages:
  libclone-perl libmldbm-perl libnet-daemon-perl libsql-statement-perl
  libscalar-number-perl libtest-fatal-perl debhelper zip
The following NEW packages will be installed:
  html2text libalgorithm-c3-perl libauthen-pam-perl libb-hooks-endofscope-perl
  libb-hooks-op-check-perl libclass-c3-perl libclass-c3-xs-perl
  libclass-data-inheritable-perl libclass-inspector-perl
  libclass-method-modifiers-perl libclass-singleton-perl
  libclass-xsaccessor-perl libcommon-sense-perl libdata-optlist-perl
  libdatetime-locale-perl libdatetime-perl libdatetime-timezone-perl
  libdbd-mysql-perl libdbi-perl libdevel-callchecker-perl libdevel-caller-perl
  libdevel-lexalias-perl libdevel-stacktrace-perl libdynaloader-functions-perl
  libencode-detect-perl libeval-closure-perl libexception-class-perl
  libfile-sharedir-perl libio-pty-perl libjson-xs-perl
  libmodule-implementation-perl libmodule-runtime-perl libmro-compat-perl
  libmysqlclient21 libnamespace-autoclean-perl libnamespace-clean-perl
  libnet-ssleay-perl libpackage-stash-perl libpackage-stash-xs-perl
  libpadwalker-perl libparams-classify-perl libparams-util-perl
  libparams-validationcompiler-perl libqrencode4 libreadonly-perl
  libref-util-perl libref-util-xs-perl librole-tiny-perl libsocket6-perl
  libspecio-perl libsub-exporter-perl libsub-exporter-progressive-perl
  libsub-identify-perl libsub-install-perl libsub-name-perl libsub-quote-perl
  libtry-tiny-perl libtypes-serialiser-perl libvariable-magic-perl
  libxstring-perl mysql-common perl-openssl-defaults qrencode unzip webmin
0 upgraded, 65 newly installed, 0 to remove and 4 not upgraded.
Need to get 34.2 MB of archives.
After this operation, 201 MB of additional disk space will be used.
Do you want to continue? [Y/n] Y

これでインストール完了です！

もうWebminは動いています。

ブラウザでサーバーのアドレスを入力して、ポート10000にアクセスして進みましょう。

Webmin の使い方

サーバーのアドレスに対して、ポート10000にWebブラウザよりアクセスします。

デフォルトではHTTPSの接続になるようで、証明書のエラーが表示されます。

これはChromeの例ですが、どのブラウザでも表示されると思います。

Chromeの場合は、詳細情報から、自己責任で接続するためのリンクが表示されるので、それでアクセスできると思います。

HTTPSでのアクセスは暗号化されるので安全という認識がありますが、その暗号に使用する証明書が信頼されていない（勝手に生成したものや期限切れ）とエラーが出るようになっています。

アクセスできるとログイン画面になります。

Linuxのユーザー情報でログインできるようです。

Ubuntuをインストールした際のユーザー情報でログインしてください。

ダッシュボードが表示されます。

Webmin の変更した設定

Webmin / Webmin Configuration / Language and Locale / Language 「日本語」に変更、「Change Language」
ネットワーキング / ネットワーク設定 / ルーティングとゲートウェイ / 静的ルート環境に応じて複数のネットワークを追加
未使用のモジュール / Apache Webサーバ「Install Now」Apacheインストール

Apacheインストールで入ったパッケージ

libapr1t64 1.7.2-3.1ubuntu0.1
libaprutil1t64 1.6.3-1.1ubuntu7
libaprutil1-dbd-sqlite3 1.6.3-1.1ubuntu7
libaprutil1-ldap 1.6.3-1.1ubuntu7
liblua5.4-0 5.4.6-3build2
apache2-bin 2.4.58-1ubuntu8.8
apache2-data 2.4.58-1ubuntu8.8
apache2-utils 2.4.58-1ubuntu8.8
apache2 2.4.58-1ubuntu8.8
ssl-cert 1.1.2ubuntu1

ゲームサーバー管理コントロールパネルの比較

ゲームサーバー管理用のWebUIを備えたコントロールパネルソフトウェアを調べました。

個人的にはAMPか、Pterodactylが良く出来ているとは思います。

Pterodactylは無料ですが、構築が手間ではあるので、今回は有料のAMPを使用します。

AMPは永久ライセンスなので有料といっても微々たるものだとは思います。

AMP (Application Management Panel) のインストール

同様にSSH経由で操作します。

インストール方法は CubeCoders - AMP Installation Guide を参考にします。

以下のいずれかのライセンスを購入済みとします。

Starter Edition（買い切り10ドル）
Professional Edition（買い切り20ドル）
Advanced Edition（買い切り40ドル）

ゲームサーバーのインスタンス数に制限があり、Starterは5個、Professionalは15個、Advancedは50個まで起動できるようです。

自分はAdvancedにしておきました。

商用サービスを目的とした Enterprise Edition（毎月20ドル）については同様の手順で設定できると思いますがわかりません。

インストール方法は書いてある通りで、sudoを使わずにroot権限で実行するとあります。

最初に sudo su - を実行してrootユーザーになってからインストールを行います。

$ sudo su -
# bash <(wget -qO- getamp.sh)

インストーラースクリプトが走ると以下のようにインストールオプションを聞いてきます。

Enter new login details for use with AMP.
These are the login details you will use to log into AMPs web interface.

Username [admin]:
Password:
Confirm Password:

Would you like to isolate your AMP instances by running them inside Docker containers?
This provides an additional layer of protection at the expense of a minor
performance impact. It is strongly recommended if you are going to allow
untrusted users access to AMP.

Using Docker is strongly recommended if you want to run Windows-based
applications on this system, as it removes the requirement to install
additional dependencies on the host.
[y/N] N

Will you be running Minecraft servers on this installation?
If selected, this installs the required versions of Java.
[Y/n] Y

Will you be running applications that rely on SteamCMD? (Rust, Ark, CSGO, TF2, etc) on this installation?
If selected, this will install the required additional 32-bit libraries.
[Y/n] Y

Would you like AMP to be configured for use with HTTPS?

This will install nginx on your system and requires that you do not use any
other web servers such as Apache on this system.

If nginx is already set up, this will add a new site configuration for AMP and
will not modify any existing configurations. Otherwise, nginx will be installed.

Enable HTTPS?
[y/N] N


Installation Summary:

AMP System user:                To be created
Instance Manager:               To be installed
HTTPS setup:                    No
Install Docker:                 No
Install 32-bit libraries:       Yes
Install Java:                   Yes

Ready to install AMP. Press ENTER to continue or CTRL+C to cancel.

AMPにログインするためのユーザー、パスワード。

Dockerを使用するかどうか。

Minecraftサーバーを使用するかどうか。

SteamCMDを使用するかどうか。

HTTPSを有効にするかどうか。

Dockerに関しては、説明にある通りですが、Windowsでしか動かないサーバーを動かすことはほぼ無く、Dockerのオーバーヘッドが気になるので使用しないことにしました。

Windows版しかないサーバーはProtonかWineで動くようなのであまり気にしなくて良さそうです。

その他はインストールすることにしています。

HTTPSはWebminと同じで、今有効にしても証明書の警告が出るだけなので、設定しません。

Installing AMP...
Creating system user...
Updating System...
Installing prerequisites...
Installing Java for Minecraft...
Installing 32-bit dependencies for srcds...
Adding CubeCoders DEB repository...
Installing instance manager...
 - Installing via package manager...
Adding firewall rules...
Adding firewall rule for port 8080 (AMP Management Instance) via ufw...
Rules updated
Rules updated (v6)
Creating default instance...
[Info/1] AMP Instance Manager v2.6.2.6 built 04/08/2025 23:40
（中略）
[Info/11] ## Please browse to the instance to complete first-time setup. ##
[Info/11] Please visit http:アドレス:8080 (internal IP) or http:アドレス:8080 (external IP) to continue setup.
[Warning/11] -- Careful! Don't press CTRL+C to copy, that will abort the setup. Use Ctrl+Insert instead. --
[Info/11] Waiting for user to complete first-time setup in browser...