iPad Retina(2048×1536)ディスプレイケース製作
最近、iPad Retinaの液晶パネルがDisplayPortらしい、ということで一部で盛り上がっています。
- 約1万円で10インチのRetina(2048×1536)なサブディスプレイを手に入れる
- ThinkPad X230はRetinaディスプレイの夢を見るか – 第三世代iPad用液晶パネルを外付け化する
- iPad Retina液晶パネル(10″)をPCへ接続する
詳しい話は上記サイトに任せるとして、私は無事、現物を入手したのですが、
そのままでは、扱うのに気を使うので、アクリルでケースを作りました。
変換基板と液晶パネルをうまく収めるケースが欲しかったため、
手っ取り早く、アクリルを何枚も積み重ねる形式のケースを設計しました。
設計データが以下の物になります。(自由に利用してください。商用は要相談。)
これらのファイルはレーザー加工機用のファイルです。
必要な材料は、以下のとおりになります。
- アクリル板(クリア、2mm厚、大きさは下記)1枚
- アクリル板(クリア、3mm厚、大きさは下記)2枚
- M3ネジ(20mm、本体固定用)8個
- M3ネジ(4mm、基板固定用)4個
- M3ナット(本体固定用)8個
- M4ナット(VESAマウント用、オプション)6個
- インサートナット(ウィルコ製、HUD-43030、基板固定用) 4個
アクリル版は、230mm*190mmのパネルを2枚ずつ割り当てるので、
300mm*450mm以上のアクリル板を買えば大丈夫だと思います。
(レーザー加工機に入れられる大きさもあると思うので、大きすぎないように)
FabLabという”ものづくりスペース”にて、オープンソースにするという前提のもと、
レーザー加工機などを始めとした機器を使用することが出来ます。
今回は、「FPGA-CAFE/FabLab Tsukuba」さんに材料を持ち込み、加工させていただきました。
FabLabは世界各地にあります。加工方法については、それぞれ加工する場所で伺ってみてください。
加工場所まで行くのが面倒、行く時間がないという人は、レーザー加工サービスを使用するとよいでしょう。
アクリル板は保護紙を貼り付けたまま、レーザー加工機にて材料を切り出します。
3mm厚のアクリル板をレーザー加工するときのパラメータは右の写真のようになっています。(EPILOG Mini24-60W)
2mm厚の加工では、パワーを17%にしてあります。
切り出しがすべて終わったら、テープを利用して保護紙を剥がしていきます。
細かなカスや、アクリルの匂いが気になる場合は、保護紙を剥がしたあとに水洗いしてください。
インサートナットは熱圧入します。
はんだごてで暖めつつ、周りのアクリルを溶かしながら、穴に埋めていきます。
穴に埋まったら、平らなもので押して(写真ではアルミのブロック)、アクリルが冷えて固まるのを待ちます。
このように、4ヶ所、インサートナットを圧入します。
これで基板をアクリル板に固定することが可能になります。
加工が終わったアクリル板が揃いました。
あとは、液晶画面と基板を挟みつつ、アクリル板を重ねて組み立てます。
これで完成です。
VESAマウント可能なようにナットを内蔵したので、モニターアームに取り付けて使用しています。
VESAのネジ穴の1つが基板の位置に来てしまっていて、1ヶ所は固定出来ません。
3ヶ所だけネジ止めしています。
結構丈夫に出来たので、ぜひみなさんも作ってみてください。
追記:
うちの会社の製品ということで、販売開始しました。
記事中で紹介した、「工房Emerge+ 」さんに製造を委託しています。
製品紹介: http://www.tsukuba-kagaku.co.jp/products/
販売ページ: https://shop.emergeplus.jp/ipadretina-enclosure/