Arduinoアナログ時計ムーブメント駆動実験
NTPアナログ時計が欲しいのですが、信じられないぐらい高価です。
そのため適当なアナログ時計を改造してNTP対応にしてみたいと思います。
最初に実験としてArduinoでアナログ時計のムーブメントの駆動を試してみることにします。
以下、参考になりそうな情報です。
- https://n.mtng.org/ele/arduino/clock.html
- http://curious4dev.mydns.jp/post-601/
- http://tetschan.blog.fc2.com/blog-entry-210.html
- http://radiopench.blog96.fc2.com/blog-entry-270.html
- http://radiopench.blog96.fc2.com/blog-entry-927.html
- https://haratkhr.hatenablog.com/entry/2017/05/16/171555
- http://7ujm.net/etc/tstep.html
クォーツ時計のムーブメント
壁掛け時計などに搭載されている針を回す時計ユニットとなるムーブメント。
機械式やクォーツ式などの方式がありますが、電気的に制御できるのはクォーツ式です。
クォーツ(水晶振動子)を使用して32.768kHzの周波数で発振させ、それを分周することで時計を駆動するための周波数を作ります。
そして、その周波数に合わせて時計の秒針が進んでいきます。
水晶振動子で低い周波数の振動は難しいので、時計は一般的に32.768kHzが使われることが殆どです。
その周波数に同期して32768回カウントを行えば、1秒単位の信号が取り出せるというわけです。
秒針の種類には「ステップ秒針(ステップセコンド)」と「連続秒針(スイープセコンド)」があります。
ステップ秒針は1秒毎にカチコチと秒針が動くタイプ。
動作音が大きめです。
連続秒針はスーッと流れるように秒針が動くタイプ。
動作音が静かで寝室に向いています。
構造上、ステップ数が違うだけで、ほとんど同じものです。
連続秒針といっても、実は1秒に満たない細かいステップで動いているので、連続で動いているように見えるだけです。
そのため今回は両方の時計を実験用に準備しました。
内部にはコイルと磁石を搭載したギアが1つあり、ステッピングモーターとして動作しています。
コイルに流れる電圧・電流を見てみることにします。
分解して違いを探っていきましょう。
(以下、ムーブメントの正式な型番が不明のため、便宜上C-01など適当な型番をつけておきます)
ムーブメントC-01(CASIO IQ-24-7JF・ステップ秒針)
1秒毎に秒針が動くステップ秒針のタイプです。
秒針を駆動するために1秒毎にパルスが出ていると推測されます。
分解して測定用にジュンフロンラッピング線(ETFE線)でコイル周りの配線を外に引き出します。
制御用のICはパッケージで存在せず、黒エポキシでのCOB(Chip on Board)実装になっていますね。
銀色の細長い部品が水晶振動子で32.768kHzで振動します。
きちんとチップコンデンサも搭載されていて丁寧な作りの基板です。
オシロスコープ測定:
- 波形上 Ch2 コイル電流(2mA/DIV)
- 波形下 Ch1 コイル電圧(1.0V/DIV)
1秒おきに31msec程度の正負のパルスが出ていることがわかります。
電圧は電池のまま1.5V、電流は4mA程度でしょうか。
磁石が動くに従って電流も変化しますね。
ムーブメントM-01(ノア精密 MAG FEW182 / W-771・連続秒針)
連続秒針タイプです。
D316swがムーブメントの型番?
黄色のCOB実装が珍しいです。
基板自体かなり小さく、コンデンサなどはついていません。
オシロスコープ測定:
- 波形上 Ch2 コイル電流(1mA/DIV)
- 波形下 Ch1 コイル電圧(1.0V/DIV)
正負パルス出力の1サイクルは125ms、駆動パルス自体は47msで出ているようです。
つまり、1秒間に16回のパルスで駆動していることになります。(正負パルスなのでオシロスコープ上では8Hzと測定)
電流は若干オフセットがズレていますが、1mAも流れていないように見えます。
ムーブメントN-01(ニトリ 001TG・連続秒針)
連続秒針タイプです。
12888がムーブメントの型番?
ジグザグのパターンはスイッチの電極でしょうか?
レジストが抜かれていないのでコンデンサのつもりでしょうか?
よくわかりません。
オシロスコープ測定:
- 波形上 Ch2 コイル電流(1mA/DIV)
- 波形下 Ch1 コイル電圧(1.0V/DIV)
正負パルス出力の1サイクルは125ms、駆動パルス自体は62.5msで出ているようです。
つまり、1秒間に16回のパルスで駆動していることになります。(正負パルスなのでオシロスコープ上では8Hzと測定)
電流は若干オフセットがズレていますが、1mAも流れていないように見えます。
マイコンから制御する