パルスパワー高電圧スイカ割り(5kJ)

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6000Vの高電圧でスイカを割ってみました。

そもそも事の発端はこれです。

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スイカ割りという概念に引っかかればOKらしいので、パルスパワーで割ってみます。

つまり、コンデンサに充電した電気を一気に流す装置を作るということです。

といっても、コンデンサとスイッチ、充電回路を用意するだけです。

 

コンデンサのエネルギー

コンデンサに蓄えられるエネルギー(J:ジュール)は次のように計算します。

J = CV2/2

4kV / 500μFのコンデンサを例に取ると以下のように計算出来ます。

J = CV2/2 = 0.0005 * 4000 * 4000 / 2 = 4000[J] ( = 4[kJ] )

つまり、4kV / 500μFのコンデンサに蓄えられるエネルギーは最大で 4[kJ]です。

 

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今回は4kV / 500μFのコンデンサを2個直列にして使用することにします。

2つのコンデンサを直列接続にすると耐圧は倍になりますが容量は半減します。

つまり、8kV / 250μFのコンデンサとみなすことが出来ます。

J = CV2/2 = 0.00025 * 8000 * 8000 / 2 = 8000[J] ( = 8[kJ] )

最大のエネルギーは8[kJ]となりますが、今回は安全のため、6kV前後で使用しました。

6500Vとして計算すると、以下のようになります。

J = CV2/2 = 0.00025 * 6500 * 6500 / 2 = 5281[J] ( = 5.281[kJ] )

約 5[kJ] というところでしょうか。

 

実際に計算するときは、kVとμFで小数点を打ち消すと計算が楽になるのでオススメしておきます。

250[μF] * 6.5[kV] * 6.5[kV] / 2 = 5281[J] ( = 5.281[kJ] )

 

ちなみにAED等の除細動器のジュール数は200[J]前後ですので、これだけのエネルギーの扱いは生死に関わります。

真似されるかたは自己責任でお願いいたします。

 

スイカに刺す電極

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相手が食品になるのでホームセンターで発見したステンレス製のペグを使用します。

M10のドブメッキワッシャーとぴったりで、M10の圧着端子を使って配線出来ます。

コンデンサへの配線は38sqの溶接用ケーブルを使用しました。

また、スイカの中心から炸裂するように熱収縮チューブを被せ、ペグの先端だけ露出するようにもしています。

 

ギャップスイッチ

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普通のスイッチを使用すると、大電流が流れた際に接点が溶けてしまいます。

そのため、このようなパルスパワーを扱ったものではスイッチを自作することがよくあります。

電界歪みスイッチのようなギャップスイッチと言われるものは、接点に隙間があり、

そこにトリガー放電などを行うことによって導通するスイッチです。

理想的なスイッチですが補助電極が必要で製作するのが若干面倒になります。

 

今回はボルトを突き合わせた移動接点のスイッチですが、改良点があります。

単純に電極となるボルトを接触させるだけですと、接触時の大電流で溶けて接点が付いたままになることが多いです。

片方のボルトに針金を埋め込み、最初にその針金が接触するようなスイッチにしています。

細い針金に大電流が流れると、すぐさま蒸発しプラズマが発生します。

これが電界歪みスイッチのような動作をするということになります。

下記、YouTube動画内で詳しく解説しています。

 

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取り付けの様子と、実際に通電したあとの電極の様子です。

針金が刺さっている方の電極ですが、ボルトには特に溶けた跡は見られません。

接触した針金(ボルト中心に開けた穴に入っています)は先端が蒸発したようで短くなっています。

 

充電回路

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今回は適当にネオンサイントランスと高圧ダイオードを接続しています。

スライダックで電圧調整をし、電圧計でコンデンサに充電された電圧を監視しています。

この大きさのコンデンサになるとネオンサイントランスでは充電に少し時間がかかりました。

別のトランスを利用したほうが良さそうです。

 

実験のセッティング

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コンデンサからギャップスイッチを経由しスイカに接続しているだけです。

放電時は充電系を念の為切り離します。

これだけのエネルギーがあると、容易に人間も死んでしまうので、細心の注意が必要です。

 

実験1回目

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良い感じにスイカが割れました。

スイカ割りとしては大成功です。

衝撃で容器に汁がすごい溜まっています。

 

実験2回目

電極のセッティングや電圧を変えたところ、スイカ割りとしては大失敗でしたが実験としては大成功しました。

 

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ハイスピードカメラで撮影した映像です。

中心での放電による強烈な閃光が見え、直後に外に向かって破裂していく様子が観察できます。

破片が10m先にも飛んでいたので放電によって相当な圧力が発生したようです。

 

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後片付けが本当に大変でした・・・。

次の日、フォークリフトに蟻が沢山いました。

 

動画

実験結果はこちらの動画もご覧ください。

 

 

協力いただいた方々

ご協力ありがとうございました!

撮影協力

挿絵

 

参考リンク

21/09/05 追記: 優勝しました!