小型DRSSTC製作記(1号機)
私は昔から「Maker Faire Tokyo」に出展し、テスラコイルを展示してきました。
しかし、規模が大きくなることと、会場変更と共に、消防法の厳守が求められるようになり、
発火の危険のあるテスラコイルが展示できない状態でした。
Makeの事務局側と4年以上話し合いを続けて、
「Maker Faire Tokyo 2015」にて展示することが可能になりました。
今回は、消防法に準拠するテスラコイルの製作です。
同じような装置を製作されている人は参考にしてください。
ポイントとしては、稲妻でティッシュ等に火がつくか?ということです。
稲妻の定義がされていないため、紙などに火がつくかどうかで、
火炎に該当するかどうかの判定がありました。
ハイパワーな半導体テスラコイルのため、もちろん火がつきます。
火炎に該当してしまうため、放電長を10cm以下にしないと展示ができない状況でした。
鳥かごに収めてしまって、強制的に10cm以下の放電にすることを目指します。
2015/06/09
最初に2次コイルの製作をします。
今回は外形80mm、長さ300mm、板厚2mmのアクリルパイプを使用します。
最初にアクリルパイプを巻くために、”まな板”で治具を作ります。
丸く切り出して、旋盤に取り付けをします。これでコイルを巻く準備は完了です。
0.2mmのUEWを巻きました。1300回前後の巻数です。
巻き終わったらエポキシでしっかり固めてしまいます。
今回使用したのは、ボンド Eセットです。
ウレタンニスより扱いが面倒になるので、出来にこだわらない場合はニスで良いと思います。
2015/07/09
1次コイルの製作をします。
今回はアクリル板をレーザー加工機にて加工し、プラネジで組み立てることにします。
FabLab Tsukubaにてレーザー加工を行いました。
設計データ:
商用利用は禁止です。
1次コイルには、外形6.35mmのなまし銅パイプを使用します。
なぜこの外形を使用するかというと、ヒューズとほぼ同じ外形のためです。
銅パイプに配線する際に、ヒューズホルダーを使用できます。
2015/07/30
次の制御回路の製作をします。
前に私が設計した基板を使用します。
基板を組み立てて、配置を確認します。
下の容器は、鳥かごです。HOEIのR550LL-Nを使用しています。
残念ながら生産終了なので、次回からは、R550LL-Pを使用することになりそうです。
金網が塗装されてしまったので、バーナーで皮膜を焼いて、ローバルでも塗ると思います。
アクリル板にスペーサーを取り付け、基板を固定していきます。
大きな部品類はケーブルタイで固定していきます。
(配線図準備中)
配線図はこのようになります。
共振状態を探るため、仮組みします。
共振コンデンサは耐圧が高く、ESRが低いものを使用します。
私は、Cornell Dubilier Electronicsの940C / 942Cシリーズを選ぶことが多いです。
金属製のトロイドは、Information Unlimitedから購入しています。
大体のパラメーターが決まったら、共振コンデンサや、カレントトランスを組み付けます。
カレントトランスはTriad MagneticsのCST206-1Aなどを使用しています。
これも、Digi-KeyやRSコンポーネンツなどで購入できます。
これで完成となります。
右の画像が放電している様子です。
短い放電距離に見えますが、放電音はなかなか大きく、迫力があります。
動作テストをしている際の動画です。
MIDIインタラプターの製作
放電音を制御して、放電から直接音楽を鳴らすことが出来ます。
FPGA制御で和音対応のインタラプターを作りました。
和音を鳴らしたとき、インタラプターのON時間が伸びる場合があり、
そのときにテスラコイルを焼損する可能性があります。
考慮した結果、最低OFF時間を設けることにし、制御を行っております。
和音対応FPGAインタラプターにて動作している様子です。
2015/08/01 Maker Faire Tokyo 2015
2016/02/26 中学校での講義
2016/08/07 Maker Faire Tokyo 2016