テスラコイル製作記(SGTC2号機改修)
前に製作したSGTCの2号機を改修する記事です。
2015年6月後半、Maker Faire Shenzhen 2015に出展するのと、
部品の買い付けをするために1週間ほど中国、深センに行っていました。
帰国直後にイベントの依頼が舞い込んで来ました。
これは動作するように修理せねば。
今までの実験で2次コイルが焼けてしまっていました。
2次コイルを直すと同時に、チューニングがうまくいってない状態が続いていたので、
1次コイル、共振コンデンサを設置しなおすことにします。
また、ロータリースパークギャップも壊れ気味でしたので、作りなおすことにします。
必要な材料をリストアップして、通販やホームセンターで集めていきます。
2015/06/25
落合陽一氏からの依頼があり、話によると大きな放電を起こしたいとのこと。
高級シャンパン「ドン・ペリニヨン(ドンペリ)」のイベントで使用するとのことで、
芸能人も来られるそうです。これはきちんと動作しないとマズい・・・。
8月のMaker Faire Tokyo 2015に向けて、DRSSTCを製作するのもあり、
タイムスケジュール的に大変厳しいものに(笑)
2015/07/24
共振コンデンサの設置場所がなく、毎回地面に置いて配線をして使用していました。
これでは不便なので、コンデンサを設置するための板をベークライトで作ることとします。
また、ロータリースパークギャップの電極を支える部分も、アクリル棒を適当につけて固定していたため、
簡単に動いてしまい、タングステン電極が回転電極に接触し折れてしまったままでした。
これも、絶縁性の良いベークライト板で固定することにします。
CNC加工機でベークライトの板を切削加工しました。
友人に手伝ってもらって、必死に作業をしていたので、製作途中の画像は残念ながらありません。
2次コイルは少し解いて、焦げた部分を除き、1次コイルは作り直し。
コンデンサを設置するために、ベークライト板を設置。その上にコンデンサを設置。
ロータリースパークギャップの電極固定も上記の画像の通り、ベークライト板を使用しています。
ガレージで調整中の様子です。
共振点を追い込んで行き、放電をパワーアップさせます。
2015/07/25
会場の設営に行きます。
どうみても不審車(笑)
秋葉原で測定器類を追加購入した後に、設営に来ました。
今回の会場は「東京流通センター」です。
個人で仕事を受けるのではなく、うちの会社で仕事を受けています。
テスラコイルに会社のロゴマークがあるのはそのためです。
参考: つくば科学株式会社
会場から直接電源を取りました。
電源ボックスからAC100Vを引っ張ってきて、スライダックに入力しています。
右のほうに電磁接触器が置いてあるのは、Arduino制御の実験を行ったからです。
電源ラインのON・OFFを行って放電のON・OFFをするという、
結構無理やりな制御ですが、普通に動いてくれました。
設営、テスト動作も終わり、死にそうな顔をしているところです(笑)
本番中は裏方でオペレーションを行うため、写真を取る余裕がないだろう、ということで、
以下がテスト動作中のテスラコイルの画像です。
画像はクリックで拡大できます。
連続稼働させた動画。
Arduino制御の電磁接触器を使用して、間欠動作させた動画。
テスラコイルを動作させると、近くにある液晶プロジェクターが入力信号を見失う、などのトラブルがあり、
実演の順序を変えることで、対応が出来ました。
イベント当日は芸能人も来たという話ですが、裏方で無線の指示を聞きながら、
オペレーションしていたため、全然見れませんでした(笑)
非常に疲れましたが、無事成功したようでなによりです。
共振コンデンサが発熱するため、サーモグラフィーで温度を見ながらの実演を行っていました。
コンデンサ爆発、アフロ落ちにならなくてよかった(笑)
サーモグラフィーによる熱画像
一定時間、放電を行ったあとの熱画像です。
上記左の画像が、共振コンデンサの熱画像。
オイルコンデンサです。一番、発熱します。
上記右の画像が、ロータリースパークギャップの熱画像。
ベークライトで2本のタングステン電極を固定している場所です。
この程度なら大丈夫そうですね。
意外だったのが、MOT(電源トランス)の発熱と、ダイオードの発熱です。
左の画像は、全体の画像で、発熱している部分が2つあります。
下の大きな熱源が、オイル漬けにしたMOT(電源トランス)4個です。
正直、ここまで発熱するとは思っていませんでした。
絶縁用途でオイル漬けにしたのですが、放熱も兼ねられて良いかもしれませんね。
上の熱源がブリッジダイオードとなっています。
右の画像が、ブリッジダイオードを横から見た拡大画像となっています。
細長い、2素子内蔵タイプなので、真ん中は配線だけなのでしょう。
若干温度が低いですね。
その他
イベントの詳細が出ました。
ドン ペリニヨン P2イベント「Dom Pérignon P2 Experience」
落合陽一、ドン ペリニヨンP2 エクスペリエンス パーティで会場を泡で包みゲストを魅了
弊社にて、テスラコイルの実演サービスを始めました。
詳細は、こちらからどうぞ。